挨拶に代えて
年末にあたり、当ブログの2017年の人気記事を5つ紹介したい。紹介の対象となるのは、2017年に当ブログに投稿した記事のうち、FacebookなどのSNSで反響が大きかったものである。
2017年には、この記事を含めて60本の記事を公開した。来年も同様に様々な記事を公開していく予定であるので、折に触れて読んでもらえれば幸いである。それではよいお年をお迎えください。
即興平成自由詩人
筑波大学モニュメントに含まれる銘鈑に記された「漢詩」は、とうてい漢詩と呼ぶことができないしろものである。
正直言って、なぜこの記事が人気になったのか分からない。漢詩に興味がある人なんてそんなにいないだろうと思ったら、まさかの大人気。中国のニュースサイト [1] にもなぜか取り上げられるという展開に。
ヰタ・スタチスチカエ
科学における統計の誤用について説明した『ダメな統計学――悲惨なほど完全なる手引書』という本の日本語版が翻訳され、出版されることになった。この翻訳書について、どういった内容であるか、どういった人におすすめであるかを紹介する。
2017年1月に、勁草書房さんから統計に関する翻訳書を出した。初版はわりとすぐに捌けてしまい、当初はなかなか入手できないという人もいたようだ。今(2017年12月)は大きな書店やネット書店などで普通に手に入ると思うので、科学に関わる方はぜひこの『ダメな統計学――悲惨なほど完全なる手引書』を読んでいただければと思う。訳書版元サイト(けいそうビブリオフィル)で訳書の「はじめに」の部分を閲覧することも可能である。
続整然方の人
整然データとは、1) 個々の変数が1つの列をなす、2) 個々の観測が1つの行をなす、3) 個々の観測の構成単位の類型が1つの表をなす、4) 個々の値が1つのセルをなす、という4つの条件を満たした表型のデータのことであり、構造と意味が合致するという特徴を持つ。R言語などを用いたデータ分析の際には非常に有用な概念である。
この記事を書く前には、tidy data という概念にこれといった訳語はついていなかったのだけれども、この記事を準備するにあたり、私の方で「整然データ」という和訳をつけてみた次第。その後、他の方も結構この訳語を使ってくれているのがうれしいところ。
ところで、この記事を書いたあと、『情報の科学と技術』という雑誌の67巻9号に「整然データとは何か」と題して、別の切り口から説明した文章も書いた。興味がある方はご覧いただきたい。また、TokyoR 52 で、「整然データってなに?」というタイトルで発表したときのスライドも公開してあるので、こちらもよろしければご参照いただきたい。
大蔵じいさんとガン
研究社『新和英大辞典』に載っている例文を拾うと、財務省に厳しいストーリーが浮かび上がってくる。
この記事について「よく気づいたね、どうやって気づいたの?」と聞かれたことがある。これには、「ふと思いついたから」としか答えようがない。5月ぐらいに仕事でかなり疲れていたときに、なぜかふと思いつき、調べてみたら分かった次第。もしかしたら、仕事で疲れすぎて、気づいた経緯を忘れてていたせいで働きすぎには気をつけよう。
銀河哲道の夜
2017年6月15日にフランスで行われたバカロレア(大学入学資格試験)の哲学の試験でどういう問題が出題されたかを紹介。
この記事は割とFacebookで受けが良かった。2017年には「インスタ映え」する「フォトジェニック」なものがはやったけれども、哲学の試験問題はたぶん「Facebook映え」する内容なのだと思う。
- 徐萧.(2017年2月17日).日本老翁写的汉诗行不行?日本网友首先不服.澎湃新闻. [↩]