2015年の人気記事五選

概要
2015年に当ブログに投稿された記事で、人気があった記事を5つ紹介する。

挨拶に代えて

年末にあたり、当ブログの2015年の人気記事5つ紹介したい。紹介の対象となるのは、2015年に当ブログに投稿した記事のうち、FacebookなどのSNSで反響が大きかったものである。

さようなら、2015年
さようなら、2015年

2015年には、この記事を含めて64本の記事を公開した。来年も同様に様々な記事を公開していく予定であるので、折に触れて読んでもらえれば幸いである。それではよいお年をお迎えください。

論文短し 学べよ乙女

最短の学術論文

要約文や本文が非常に短い学術論文、そして最短の学術論文を紹介する。

こういった話は内容が分かりやすく取っつきやすいようで、今年書いた記事の中ではダントツで多くの人に読まれていた。この記事の最後の方は笑い話のようになっているが、途中に挙げられている事例は、論文の価値は長さではなく何を伝えているかにあるという重要なことを思い出させてくれるだろう。

意欲的研究文章の形式と方法

質的研究なら簡単にできるという幻想

「質的研究ならば、量的研究と違って数式や統計の知識がなくてもできるから簡単だ」と考える人がいる。こう考えるのは適当ではない。質的研究を行う際にはしっかりとした方法論を身につける必要があり、それは決して簡単なことではない。

実際に研究を進めていくにあたってはさまざまな幻想がある。こうした手法なら楽にできるのではないか、あまり学ばなくてもできるのではないかといった幻想である。しかし、ソフトウェアエンジニアリングにおいて銀の弾丸が存在しないのと同じように、研究にも銀の弾丸は存在しない。結局のところ、こつこつとまじめに方法論を身につけてやっていくしかないのである。

棒グラフになった男

平成27年度センター試験の倫理で問題のある棒グラフが出題

平成27年度のセンター試験の倫理で出題された棒グラフは、棒がゼロから始まっていない。これは棒グラフとして適切でないものである。

方法論と言えば、意外と知られていないのが、グラフに関する方法論である。科学的論文に限らず、我々の社会では多種多様なグラフが使われるが、ダメなグラフも少なくない。今度、適切なグラフの描き方についてどこかでまとめられればと思っている。そこでダメなグラフと適切なグラフとがどう違うのかはっきりさせたい。

統計屋政談

科学における「ダメな統計学」を説明した本

科学において統計がいかに正しく使われていないかを説明した本 Statistics Done Wrong: The Woefully Complete Guide について紹介する。

ダメなグラフと関連して、統計の使用についてもダメなものが少なくない。この辺のところ、グラフと同様についついおろそかにしてしまいがちだ。先ほどの方法論の話と同様に、こつこつと身につけるのが一番良いと思うのだが。なお、統計の使用のダメな例に関しても、今度どこかで発表したいと思っている。

蒿取物語

2015年のノーベル医学・生理学賞受賞者の屠呦呦氏の名前と中国古典

2015年にノーベル医学・生理学賞を受賞した屠呦呦氏の「呦呦」は、中国最古の詩集『詩経』の「鹿鳴」という詩に由来する。この詩には鹿がヨモギを食べる描写があり、これは偶然にも屠呦呦氏がヨモギの一種からマラリアに効く成分を発見したことに符合する。

私のこのブログは色んな分野のことを興味の赴くままに書いているので、正直言ってどこに進んでいくか自分でも分からないぐらいである。ただ、色んな分野を書くことで、いくつかの分野を統合した何かが伝えられればと思っている。ここに挙げた記事の例は、ノーベル賞と中国古典という一見結びつきそうにないものをうまく結びつけたものだと自分では思っている。こんな感じで来年もつれづれなるままに書いていきたいと思うので、またぜひ読んでいただければと思う。