漢字の平行線の方向に着目する
数学では、行列というものをよく使う。縦横に数や文字を並べて長方形のかたちにしたものである。行列では、行が横方向にならんだものを示し、列が縦方向にならんだものを示す。表計算ソフトでも、横方向を行と言い、縦方向を列と言う [1] 。
![数学での行列の例。以下の行列は、行が4つあり、列が6つある。ここで、m, n, o, p, q, r が横に並んでいるのが3行目であり、b, h, n, t が縦に並んでいるのが2列目である。](http://id.fnshr.info/wp-content/uploads/sites/2/2015/10/matrix.png)
ただ、行が縦を表すのか横を表すのか、あるいは列が縦を表すのか横を表すのかはなかなか覚えにくい。こういった時の覚え方として、漢字の中の平行線の方向に着目するというものがある。
以下の画像を見てもらいたい。「行」という漢字と「列」という漢字にはそれぞれ、線が平行になっているところがある。この平行線の方向が、行・列の方向を示すのだ。
![「行」・「列」のそれぞれの漢字で、平行線がどの方向に伸びているかに着目すれば、どの方向を示すのかが覚えやすい。](http://id.fnshr.info/wp-content/uploads/sites/2/2015/10/gyouretsu.png)
「行」は横方向に平行線があるので横になる。そして、「列」は縦方向に平行線があるので縦になる。 こう覚えれば、行と列のどちらが縦か横か悩むことはなくなるだろう。
英語の場合
英語で数学の行列 (matrix) を扱ったり表計算ソフトを使ったりする時は、row が横方向にならんだものをcolumn が縦方向を示す。つまり、row は行に相当し、column は列に相当する。これもどちらがどちらか覚えにくいだろう。
英語の場合の覚え方として、つづりの形に着目する手段がある。column という単語には、“l”という縦方向に伸びている文字がある。このことに着目しよう。つまり、縦に伸びる“l”を含むから、columnは縦だと覚えるのだ。
![列に相当する column は縦に伸びている柱のような“l”という字があるということに着目して覚えると、縦方向だと分かりやすい。](http://id.fnshr.info/wp-content/uploads/sites/2/2015/10/column.png)
なお、column という単語は「柱」という意味もある。この意味が思い出せれば、column が縦方向を表すということは自然と分かるはずだ。
これに対して、row には縦方向に伸びた文字はなく、つづりの形は横に平らである。だから、row は横だと考えれば良いだろう。
![行に相当する row はつづりの上の方が平らになって、横方向に伸びていることから横と覚えると分かりやすい。](http://id.fnshr.info/wp-content/uploads/sites/2/2015/10/row.png)
脚注