行列で縦か横か迷ったら

概要
数学や表計算ソフトで行と列がどちらが縦か横かを覚える方法について紹介する。また、英語の row(行)と column(列)についても覚え方を紹介する。

漢字の平行線の方向に着目する

数学では、行列というものをよく使う。縦横に数や文字を並べて長方形のかたちにしたものである。行列では、行が横方向にならんだものを示し、列が縦方向にならんだものを示す。表計算ソフトでも、横方向を行と言い、縦方向を列と言う [1]

数学での行列の例。以下の行列は、行が4つあり、列が6つある。ここで、m, n, o, p, q, r が横に並んでいるのが3行目であり、b, h, n, t が縦に並んでいるのが2列目である。
数学での行列の例。以下の行列は、行が4つあり、列が6つある。ここで、m, n, o, p, q, r が横に並んでいるのが3行目であり、b, h, n, t が縦に並んでいるのが2列目である。

ただ、行が縦を表すのか横を表すのか、あるいは列が縦を表すのか横を表すのかはなかなか覚えにくい。こういった時の覚え方として、漢字の中の平行線の方向に着目するというものがある。

以下の画像を見てもらいたい。「行」という漢字と「列」という漢字にはそれぞれ、線が平行になっているところがある。この平行線の方向が、行・列の方向を示すのだ。

「行」・「列」のそれぞれの漢字で、平行線がどの方向に伸びているかに着目すれば、どの方向を示すのかが覚えやすい。
「行」・「列」のそれぞれの漢字で、平行線がどの方向に伸びているかに着目すれば、どの方向を示すのかが覚えやすい。

「行」は横方向に平行線があるので横になる。そして、「列」は縦方向に平行線があるので縦になる。 こう覚えれば、行と列のどちらが縦か横か悩むことはなくなるだろう。

英語の場合

英語で数学の行列 (matrix) を扱ったり表計算ソフトを使ったりする時は、row が横方向にならんだものをcolumn が縦方向を示す。つまり、row は行に相当し、column は列に相当する。これもどちらがどちらか覚えにくいだろう。

英語の場合の覚え方として、つづりの形に着目する手段がある。column という単語には、“l”という縦方向に伸びている文字がある。このことに着目しよう。つまり、縦に伸びる“l”を含むから、columnは縦だと覚えるのだ。

列に相当する column は縦に伸びている柱のような“l”という字があるということに着目して覚えると、縦方向だと分かりやすい。
列に相当する column は縦に伸びている柱のような“l”という字があるということに着目して覚えると、縦方向だと分かりやすい [2]

なお、column という単語は「柱」という意味もある。この意味が思い出せれば、column が縦方向を表すということは自然と分かるはずだ。

これに対して、row には縦方向に伸びた文字はなく、つづりの形は横に平らである。だから、row は横だと考えれば良いだろう。

行に相当する row はつづりの上の方が平らになって、横方向に伸びていることから横と覚えると分かりやすい。
行に相当する row はつづりの上の方が平らになって、横方向に伸びていることから横と覚えると分かりやすい。
脚注
  1. 行が横で、列が縦と定めてあるのは数学や表計算のときの話であって、それ以外の場合はそうでないこともある。例えば、縦書きの原稿用紙の場合、縦方向に伸びるのが「行」と呼ばれる。 []
  2. 柱の部分の画像は、PixabayのClkerFreeVectorImages氏のパブリックドメイン画像を改変したものを用いた。 []