マルコフ連鎖モンテカルロ
MCMC という言葉は統計の分野でよく出てくる。
上記の引用文にもあるように、統計分野におけるMCMCとは、「もてて困るもてて困る」(Motete Comaru Motete Comaru) の略ではなく、「マルコフ連鎖モンテカルロ」(Markov Chain Monte Carlo) の略である。この手法は現在の統計分析で非常によく使われている。
「マルコフ連鎖モンテカルロ法」の「マルコフ」とはロシアの数学者アンドレイ・マルコフのことである。アンドレイ・マルコフは、確率論で大きな業績を残した人物である。マルコフ連鎖はマルコフが考えた状態変化に関するモデルの1つである。非常に大ざっぱに言えば、マルコフ連鎖では、次に来る状態の確率は、現在の状態だけから決まり、現在より前の状態に影響されないと考える。例えば、明日の天気が晴れになる確率は、今日の天気が何であるかによって決まり、昨日以前の天気には影響されないといった形で、天気の状態変化をモデル化する。こうしたモデルは単純すぎるように思われるかもしれないが、単純であるがゆえに強力な面があり、状態変化をモデル化するときにマルコフ連鎖は広く使われている。
また、「マルコフ連鎖モンテカルロ法」の「モンテカルロ」は西ヨーロッパにあるモナコ公国という国にある地名である。モンテカルロにはカジノがあることで有名である。モンテカルロ法とは、このカジノがある地名にちなんだもので、大ざっぱに言えば、乱数を何度も使って数値計算を行う手法である。ちなみに、カジノにちなんだ統計手法として、ラスベガス法というものもある。
マルコフ連鎖モンテカルロ法では、現在の状態だけを使って新しい状態を出すようにしている。この点でマルコフ連鎖を用いている。また、マルコフ連鎖モンテカルロ法では、計算の際に乱数を何度も使っている。この点でこの手法はモンテカルロ法の一種となっている。これらが、この手法をマルコフ連鎖モンテカルロ法と呼ぶゆえんである。
なお、マルコフ連鎖モンテカルロ法について学びたい人は、まずは『データ解析のための統計モデリング入門』という本を読むと良いだろう。
マレーシア通信マルチメディア委員会
マレーシア通信マルチメディア委員会 (Malaysian Communications and Multimedia Commission) も MCMC と略される。これは、マレーシアにおいて、通信・放送などの規制にあたる独立機関である [1] 。
その他
- オーストラリアのメルボルンを流れるメリ・クリークという水路の生態環境を守る組織として、メリ・クリーク管理委員会 (Merri Creek Management Committee) というものがあり、この組織の略称が MCMC である。
- アメリカ合衆国ニュージャージー州にあるミドルセックス郡ムスリムセンター (Muslim Center of Middlesex County)というイスラム教徒の組織があり、この組織の略称が MCMC である。
- アメリカ合衆国オレゴン州にある医療機関 ミッドコロンビアメディカルセンター (Mid-Columbia Medical Center) の略称が MCMC である。
- アメリカ合衆国ニューメキシコ州にある医療機関 マイナーズコールファックスメディカルセンター (Miners’ Colfax Medical Center) の略称も MCMC である。
- アメリカ合衆国テネシー州にある医療機関 モーガン郡メディカルセンター (Morgan County Media Center) の略称も MCMC である。
- アメリカ合衆国マサチューセッツ州に本拠を置く企業に MCMC というものがある。この企業はマネジドケア(管理ケア)をサービスすることを業務としている。ここでの MCMC は Managing Care, Managing Cost(ケアを管理し、コストを管理する)の略である。