大きな数を表すための数詞
英語には大きな数を表すために使う数詞が色々ある。以下にリストを挙げる。
英語 | 値 | 日本語訳 | 対応するSI接頭辞 [1] | ||
---|---|---|---|---|---|
million | 106 | 百万 | mega | M | メガ |
billion | 109 | 十億 | giga | G | ギガ |
trillion | 1012 | 一兆 | tera | T | テラ |
quadrillion | 1015 | 千兆 | peta | P | ペタ |
quintillion | 1018 | 百京 | exa | E | エクサ |
sextillion | 1021 | 十垓 | zetta | Z | ゼタ |
septillion | 1024 | 一𥝱 | yotta | Y | ヨタ |
octillion | 1027 | 千𥝱 | ──────── | ||
nonillion | 1030 | 百穣 | ──────── | ||
decillion | 1033 | 十溝 | ──────── | ||
undecillion | 1036 | 一澗 | ──────── | ||
duodecillion | 1039 | 千澗 | ──────── | ||
tredecillion | 1042 | 百正 | ──────── | ||
quattuordecillion | 1045 | 十載 | ──────── | ||
quindecillion | 1048 | 一極 | ──────── | ||
sexdecillion | 1051 | 千極 | ──────── | ||
septendecillion | 1054 | 百恒河沙 | ──────── | ||
octodecillion | 1057 | 十阿僧祇 | ──────── | ||
novemdecillion | 1060 | 一那由他 | ──────── | ||
vigintillion | 1063 | 千那由他 | ──────── | ||
unvigintillion | 1066 | 百不可思議 | ──────── |
なお、日本語の無量大数 (1068) は one hundred unvigintillion に当たる。
事例
こうした数詞を使った例をいくつか見てみよう。
ジンバブエでは21世紀初頭にハイパーインフレが発生し、とても大きな桁数の紙幣が発行された。以下に挙げる紙幣では、「兆」に相当する trillion が用いられている。
別の例を見てみよう。Cookie Clicker というブラウザゲームでは、ものすごい量のクッキーを作ることができる。1秒ごとに sextillion (十垓)程度のクッキーを作ることなど余裕でできる。なので、このゲームでは以下のようにとんでもない数を表すメッセージが平気で出てくる。
仕組み
英語では比較的簡単に大きな数を表す数詞を作ることができる。具体的には、ラテン語で数を表す接頭辞に -illion を付ければ良い。例えば、ラテン語で7を表す接頭辞 sept- に -illion を付けることで、septillion という数詞を作ることができる。
こうしてできあがった数詞の値は、1の後に、接頭辞が表す数に1を加え、それを3倍した数だけ0が並んだものになる。このことを簡単な数式を用いて表せば、10 3(p+1) (ただし、p は接頭辞が表す数)となる。
例えば、septillion という数詞では、接頭辞が表す数は7である。7に1を加えて、それを3倍すると、24になる。つまり、septillion は1の後に0が24個並んだ数 (1000000000000000000000000) を表す。同じことを数式を用いて表せば、septillionは 10 3(7+1) = 1024 ということになる。
なお、先ほどのリストでは、unvigintillion(21を示す unvigint- に -illion を付けて1066を表す)までしか挙げなかったが、原理的には接頭辞の数を大きくすることでもっと大きな数詞を作ることができる。例えば、24を示す quattuorvigint- に -illion を付けることで、1075 を表す quattuorvigintillion という数詞を作ることができる。
- SI接頭辞は一番大きいのが septillion に相当するヨタである。それより大きい数に対応するSI接頭辞は存在しない。 [↩]
- Wikimedia Commons のパブリックドメイン画像を使用。 [↩]