西暦年が令和年で割り切れるのは2020年(令和2年)が実質的に最後

概要
西暦2020年は令和2年に当たり、2020は2で割り切れるので、西暦年が令和年で割り切れることになる。このように西暦年が令和年で割り切れるのは2020年が実質的に最後である。合わせて、2020年の日付で素数と見なせる例を紹介。

西暦年が令和年で割り切れる場合、割り切れない場合

西暦2020年は令和2年に当たる。ところで、2020は2で割り切れる。西暦で表した年が令和で表した年で割り切れるのだ。

他の年だとどうなるだろうか? まず1年戻ってみよう。西暦2019年は令和元年(=1年)で、2019は1で割り切れる。

次に、西暦2021年以降を見ていこう。西暦2021年は令和3年だが、2021は3で割ると2余るので、割り切れない。西暦2022年は令和4年だが、2022は4で割ると2余るので、割り切れない。西暦2023は令和5年だが、2023は5で割ると3余るので、割り切れない。どうやら西暦2021年以降は西暦年が令和年で割り切れないようだ。

本当にそうだろうか? 少し数学的に考えてみよう。

令和2年が実質的に最後となる理由

令和 n 年は、西暦 (2018 + n) 年に当たる。西暦年が令和年で割り切れると言うことは、(2018 + n) が n で割り切れるということだ。要するに、(2018 + n) / n = 2018 / n + 1 が整数になれば割り切れる。2018 / n + 1 が整数になるのは、2018 / n が整数になるときだけだ。

だから、2018 / n がどんなときに整数となるかを考えればよい。ここで、n が2018の約数であれば、2018 / n は整数になる。2018は 2× 1009 と素因数分解できるから、2018の約数は以下の4つのみになる。

よって、n = 1, 2, 1009, 2018 のときのみ、 西暦年は令和年で割り切れる。ただ、令和1009年とか、令和2018年とかが来る前に元号は変わっているだろう。だから、西暦年が令和年で割り切れるのは、2020年(令和2年)が実質的に最後ということになる。

ちなみに、平成の頃は、西暦年が平成年で割り切れることがそこそこあった。平成 m 年は、西暦 (1988 + m) 年に当たる。ここで、m が1988の約数であれば、西暦年が平成年で割り切れる。1988 = 22 × 7 × 71 であり、、m ≦ 31 であるから、m = 1, 2, 4, 7, 14, 28 のときに西暦年が平成年で割り切れることになる。例えば、西暦2016年は平成28年で、2016は28で割り切れる。

というわけで、もう少しで2020年。みなさま、良いお年をお迎えください。

2020年が良い年となりますように。
2020年が良い年となりますように [1]

付:素数な日付

西暦

西暦の年月日をまとめて1つの数字にしたときに素数となる日付は、2020年(令和2年)には25個存在する。

和暦

和暦の年月日をまとめて1つの数字にしたときに素数となる日付は、2020年(令和2年)には39個存在する。

なお、西暦でも和暦でも素数になるのは、01月23日 (20200123, 20123)、09月03日 (20200903, 20903)、11月01日 (20201101, 21101)、12月27日 (20201227, 21227) の4回である。

脚注
  1. Pixabay より Markéta Machová 氏のパブリックドメイン画像を使用。 []