Oxford comma とは
英語で3つ以上の要素を and や or でつなぐ場合、and や or の前にコンマを入れる流儀がある。この流儀のことを、Oxford comma と言う。
例えば、London, Paris, and Berlin では、Oxford comma が用いられている。ロンドン・パリ・ベルリンという3つの要素をつなぐ and の前にコンマが入っているのだ。
しかし、Oxford comma を用いない人も少なくない。つまり、3つ以上の要素を and や or でつなぐときに、and や or の前にわざわざコンマを入れない人もいるのだ。こういう人は、単に London, Paris and Berlin と書くことになる。
なお、Oxford comma を用いる流儀と用いない流儀のうち、どちらか1つだけが正しいというわけではない。ただ、1つの文章や書籍の中で Oxford comma を用いるものと用いないものが混在するのはよろしくない。統一感がなくて、みっともないのだ。
日本の中学校英語教科書での使用状況
さて、日本の中学校の英語教科書では、Oxford comma が用いられているのだろうか。日本の中学校で使われている文部科学省平成27年度検定済の教科書は6種類ある。これら6種類の教科書をざっと見てみたところ、Oxford comma を使っている教科書もあれば、使っていない教科書もあった。
Oxford comma を使っている教科書としては以下のものがあった。
- New Horizon(中2)で、“I live there with my parents, grandparents, two uncles, three aunts, and three cousins” (p.94) という例がある。
- One World(中3)で、“He was able to see his mother, brothers, and sisters.” (p.109) という例がある。
- Sunshine(中3)で、“Sakurajima has three active volcanoes, Kita-dake, Naka-dake, and Minami-dake.” (p.19) という例がある。
- Columbus(中3)で、“Let me introduce some of my classmates: Yong-ha, So-yeon, and Yu-jin.” (p.6) という例がある。
これに対して、Oxford comma を使っていない教科書としては、以下のものがあった。
- New Crown(中2)で、“You can enjoy putting together a lunch of fresh food, like, meat pies, cheese, bread and cakes.” (p.110) という例がある。
- Total English(中3)で、“Oil, coal and natural gas are fossil fuels.” (p.50) という例がある。
しっかりと隅から隅まで見ていないが、どの教科書も Oxford comma を使うなら必ず使う、使わないなら使わないで統一させているようである。