はじめに
(2015年12月26日追記:ここに書かれているのは2014年4月現在の古い情報です。最新の情報として「夜遅くに成田空港から都心に脱出する方法(2015年12月版)」というものを公開したので、そちらをご覧ください。)
昨年の4月に、夜遅くに成田空港から東京都心に行く方法について記事を書いた。あれから1年が過ぎ、夜遅くに成田空港から都心に向かう鉄道の便が若干便利になった。この記事では、ここ1年のダイヤ変更などを踏まえ、22時以降に成田空港から東京都心に行く方法についての最新情報について紹介したい。
成田空港と東京都心の間の交通の便は必ずしもよくないが、23時15分ぐらいまでなら、鉄道・バスで都心に向かうことができる。それより遅くなってしまった場合は、都心に行くのをあきらめるか、タクシーを使うしかないだろう。
第1ターミナル発時間 | 第2ターミナル発時間 | ルート | 備考 |
---|---|---|---|
22時39分まで | 22時42分まで | 京成で日暮里駅・上野駅に出る。 | 私鉄などで近郊に出たい場合はこれがタイムリミット。 |
22時40分から23時00分まで | 22時43分から23時02分まで | JRで東京駅に出る。 | 新宿駅付近に向かいたければ、JRでなくバスがおすすめ。 |
23時01分から23時25分まで | 23時03分から23時15分まで | バスで東京駅に出る。 | |
それ以降 | それ以降 | あきらめるか、タクシーを使う | タクシーは高価。 |
鉄道
成田空港から都心に行くのは鉄道が便利だ。成田空港と都心を結ぶ路線は、京成とJRがある。JRの方が終電が遅い。山手線内の各駅が目的地ならば、23時00分成田空港駅発、23時02分空港第2ビル駅発のJRの終電が、電車で成田空港を脱出する際のタイムリミットである。
また、渋谷・池袋・新宿といったターミナル駅から私鉄などで近郊に出たい場合は、22時39分成田空港駅発、22時42分空港第2ビル駅発の京成線の終電がタイムリミットになる。
なお、第1ターミナルならば成田空港駅を、第2ターミナルならば空港第2ビル駅を使うことになる。
JR
2014年3月15日のダイヤ改正により、JRの終電は大幅に繰り下がった。JRの終電は、23時00分成田空港駅発、23時02分空港第2ビル駅発の東京行きの総武線の快速電車である。鉄道で都心に向かいたい場合、事実上これが一番遅い便になる。
総武線の快速電車の終電は、23時00分成田空港駅発、23時02分空港第2ビル駅発の列車である。00時29分に東京駅に着く。東京駅で乗り換えれば、渋谷・品川・上野・池袋・新宿といった都内の主要駅に行くことも可能である。
この列車が時刻表通りに00時29分に東京駅に着けば、以下の路線に乗り換えることができる。
- 中央線三鷹行き:東京駅00時35分発。代々木駅00時56分着、新宿駅01時01分着、三鷹駅01時21分着。
- 代々木駅にて下車し、01時02分に出発する山手線(内回り)品川行きの列車に乗り換えれば、01時07分に渋谷駅、01時15分に大崎駅、01時19分に品川駅に着く。
- 京浜東北線(北行)赤羽行き:東京駅00時40分発。上野駅00時47分着、赤羽駅01時03分着。
- 京浜東北線(南行)蒲田行き:東京駅00時48分発。品川駅00時59分着、蒲田駅01時08分着。
- 山手線(外回り)品川行き:東京駅00時37分発。品川駅00時49分着。
- 山手線(内回り)池袋行き:東京駅00時38分発。上野駅00時46分着、池袋駅01時05分着。
ただし、乗り換えて渋谷・池袋・新宿といったターミナル駅に着いたとしても、それから郊外に向かう電車はすでに終電の時間を過ぎてしまっている。平日なら、ターミナル駅から、郊外に向かって深夜急行バスが運行されていることがあるので、それに乗るという手段もある。深夜急行バスの運行状況については、駅探の深夜急行バス 時刻表のページに詳しい。
例えば、上に述べた行程で新宿駅に着いたとしても、そこから京王線で府中に行ったり、中央線で国立に行ったりする電車はすでになくなってしまっている。この場合、新宿駅を01時25分に出発する深夜急行バスに乗れば、それで府中や国立に行くことができる。
京成
京成の電車で成田空港を出て都心に向かう終電は、22時39分成田空港駅発、22時42分空港第2ビル駅発の特急 [1] 列車だ。これに乗ると、平日ならば23時54分に日暮里駅、23時58分に京成上野駅に着く。土休日ならば、成田空港を出る時間は変わらず、23時53分に日暮里駅、23時57分に京成上野駅と1分だけ早く着く。あとは日暮里や上野から乗り継げばよい。
日暮里で山手線に乗り換えて、池袋や渋谷といったターミナル駅から私鉄などに乗り換えれば以下のようなところまで行ける。
- 渋谷駅経由:
- 東急田園都市線:平日ならば鷺沼駅まで。土休日は田園都市線の終電に間に合わない。
- 東急東横線:平日ならば菊名駅まで、土休日ならば元住吉駅まで。
- 京王井の頭線:平日・土休日とも富士見ヶ丘駅まで [2] 。
- 新宿駅経由 [3] :
- 中央総武線:平日・土休日とも高尾駅まで。
- 京王線:平日・土休日とも高幡不動駅まで。
- 小田急小田原線:平日・土休日とも相模大野駅まで。
- 池袋駅経由:
- 東武東上線:平日・土休日とも川越市駅まで。
- 西武池袋線:平日・土休日とも小手指駅まで。
- 高田馬場駅経由:
- 西武新宿線:平日ならば新所沢駅まで、土休日ならば上石神井駅まで [4] 。
また、日暮里駅で京浜東北線(北行)に乗り換えれば、浦和・大宮方面に行くこともできる。
なお、上記の終電より9分早く出発する京成スカイライナー [5] の終電がある。京成スカイライナーの終電は、京成スカイライナー56号で、22時30分に成田空港駅発、22時33分に空港第2ビル駅発となっている。これに乗れば、23時09分に日暮里駅に、23時14分に京成上野駅に着く。平日・土休日ともに同じダイヤである。都心からかなり離れたところが目的地で、電車に乗って目的地まで行きたければ、この京成スカイライナー56号に乗るしかないだろう。これに乗れて乗り継ぎがうまくいけば、小田原 [6] 、高崎 [7] といった遠いところにも間に合う。
津田沼・東陽町まで
都心には行かないけれども、京成津田沼駅までの各駅停車なら、23時03分成田空港駅発、23時06分空港第2ビル駅発という便がある。23時37分に勝田台駅に、23時50分に京成津田沼駅に着く。
京成津田沼駅に着いたら、23時55分京成津田沼駅発松戸行の新京成線に乗り換えることもできるし、00時04分京成津田沼駅発千葉中央駅行の京成千葉線に乗り換えることもできる。これを使えば、千葉県の北西部なら電車だけで到達することができる。
また、勝田台駅で下車し、東葉勝田台駅まで歩いて東葉高速線に乗るという手段もある。東葉高速線の終電が東葉勝田台駅を出るのは23時48分なので、乗り換えには十分な余裕がある。この東葉高速線の終電に乗れば、00時35分に終点に東陽町駅に着く。江戸川区や江東区の方に住んでいる人ならば、この手段は十分有用だろう。
なお、走るスピードが速い人なら、都心に向かうJRの電車に乗り継げなくはない。上記の京成の電車で23時50分に京成津田沼駅に着いた後、23時55分同駅発の新京成線の電車に乗る。すると、次の新津田沼駅に23時57分に着くので、そこで下車して、走ってJRの津田沼駅に行く。00時03分にJRの津田沼駅を発して御茶ノ水駅に行く電車があるのでそれに乗ればよい。ただ、京成の新津田沼駅からJRの津田沼駅まで、普通に歩いたとしても6分ぐらいかかる。飛行機に乗ってきた場合、荷物が結構あるだろうから、移動に余計な時間がかかるはずだ。このためこのルートでJRに乗り継ぐのは絶望的である。他人の迷惑にならずに走るのが速い人なら不可能ではないと思うが。
バス
終電に乗れなかったという場合は、バスを使って都心に出るという手段もある。成田空港から都心までにかかる時間はおよそ1時間強。鉄道と違って、渋滞などで遅れる可能性があるが、深夜なら渋滞することはほとんどないだろう。
東京シャトル
東京シャトルは京成グループが中心となって運行しているバスで、成田空港と東京駅を片道900円という格安価格で結んでいる。成田空港を出るバスとしては、一番遅い時間まで運行している。東京シャトルの最終便は以下の通り。これは、上述の総武線の快速電車の終電とほぼ同じ時間帯に東京駅に着く。
- 第2ターミナル北:23時15分
- 第2ターミナル南:23時20分
- 第1ターミナル:23時25分
- 東京駅八重洲口前:00時25分
ただし、東京シャトルの降車場所は東京駅の改札から離れているので、注意が必要だ。駅まで5分ほど歩くだろう。
このバスに乗って、東京駅から電車に乗れば、山手線内の駅なら大体行くことができる。行き方は、上で述べた総武線の快速電車の終電からの乗り換え方法と同じである。
東京空港交通のリムジンバス
成田空港から都心に向かうバスとしては、東京空港交通のリムジンバスもある。東京シャトルに比べると、価格が高く、成田空港から新宿駅まで3100円かかる。
新宿近辺に行きたい場合、以下のリムジンバスの新宿駅に向かう最終便が便利だ。
- 第2ターミナル:23時05分
- 第1ターミナル南ウィング:23時10分
- 第1ターミナル北ウィング:23時15分
- 新宿駅西口:00時35分
時間通りに新宿駅西口に着けば、小田急や京王新線の終電に乗り換えることができる。また、山手線で渋谷・品川・池袋に行くことも可能である。
- 京王新線桜上水行き:00時55分新宿駅発、01時00分笹塚駅着、01時03分明大前駅着、01時07分桜上水駅着。
- 小田急小田原線 [8] 経堂行き:00時52分新宿発、01時03分下北沢駅着、01時10分経堂駅着。ただし、土休日は01時02分下北沢駅着、01時09分経堂駅着。
- 中央総武線武蔵小金井行き:00時50分新宿駅発、01時07分吉祥寺駅着、01時10分三鷹駅着、01時17分武蔵小金井駅着。
- 山手線(内回り)品川行き:01時00分新宿駅発 [9] 、01時07分渋谷駅着、01時19分品川駅着。
- 山手線(外回り)池袋行き:01時00分新宿駅発 [10] 、01時09分池袋駅着。
タクシー
電車もない、バスもないとなったら、タクシーを使うという手もある。ただ、成田空港から都心までタクシーに乗ろうとするとかなり高い。しかも、深夜は割増料金がかかる。このため、金額の面ではあまりおすすめできない。
- この特急は特急料金などは不要で、乗車券だけで乗ることができる。 [↩]
- 富士見ヶ丘駅から先の各駅、すなわち久我山駅から井の頭公園駅については、JRで中央総武線で吉祥寺駅まで行き、そこから井の頭線に乗り換えれば良い。 [↩]
- 日暮里駅を23時59分に出る山手線(内回り)の電車に乗って新宿駅まで行く。 [↩]
- なお、土休日でも池袋駅から西武池袋線で所沢駅に行き、そこから西武新宿線に乗り換えることで、航空公園駅・新所沢駅にならば行くことができる。ただし、この方法では武蔵関駅から東村山駅の間に行くことはできない。 [↩]
- 京成スカイライナーは、成田空港駅、空港第2ビル駅、日暮里駅、京成上野駅にしか停車せず、速達性に優れている。全席指定。 [↩]
- 日暮里駅から山手線に乗り、新橋駅にて東海道線の小田原行きに乗り換える。 [↩]
- 日暮里駅から京浜東北線の電車に乗り、赤羽駅にて高崎行きに乗り換える。 [↩]
- 平日ならば00時39分新宿駅発の向ヶ丘遊園駅行きの電車があるが、バス降車場からの移動時間のことを考えると、乗り換えは困難である。 [↩]
- なお、これは品川行きの終電であり、これより早く出る電車に乗ることも十分可能である。 [↩]
- なお、これは池袋行きの終電であり、これより早く出る電車に乗ることも十分可能である。 [↩]