都道府県名を1文字で表す
都道府県ごとに何か集計をするということがある。その集計結果を表現するとき、スペースの関係で、「香川」のように2文字分の幅を取ったり、「神奈川」のように3文字分の幅を取ったりすることが難しいことがある。神奈川なら「神」、香川なら「香」といったように、省略して1文字で表せば、スペースも節約できるだろう。
というわけで、自分なりに検討して、都道府県名を1文字で表してみた。以下がその一覧表である。
都道府県名 | 1文字の略称 |
---|---|
北海道 | 道 |
青森 | 青 |
岩手 | 岩 |
宮城 | 城 |
秋田 | 秋 |
山形 | 形 |
福島 | 磐 |
茨城 | 茨 |
栃木 | 栃 |
群馬 | 群 |
埼玉 | 埼 |
千葉 | 葉 |
東京 | 東 |
神奈川 | 神 |
新潟 | 越 |
富山 | 富 |
石川 | 石 |
福井 | 井 |
山梨 | 甲 |
長野 | 信 |
岐阜 | 岐 |
静岡 | 静 |
愛知 | 名 |
三重 | 三 |
滋賀 | 滋 |
京都 | 京 |
大阪 | 阪 |
兵庫 | 兵 |
奈良 | 奈 |
和歌山 | 紀 |
鳥取 | 因 |
島根 | 雲 |
岡山 | 岡 |
広島 | 広 |
山口 | 防 |
徳島 | 徳 |
香川 | 香 |
愛媛 | 媛 |
高知 | 高 |
福岡 | 筑 |
佐賀 | 佐 |
長崎 | 崎 |
熊本 | 熊 |
大分 | 分 |
宮崎 | 向 |
鹿児島 | 鹿 |
沖縄 | 沖 |
なお、上記の表のデータに、都道府県コードやローマ字表記などを加えたCSVをGitHubに挙げてあるので、必要な人は適宜活用していただければと思う。
方針
基本的には、以下の方針で都道府県名を表す1文字を決めた。
- 1文字で表すときの慣用があるものはそれに従う。
- 例えば、大阪府は「来阪」のように「阪」で表す慣用があるので「阪」とした。
- 例えば、山梨県・長野県は旧国名を使って「甲信」と言うことがあるので、それぞれ「甲」・「信」とした。
- 都道府県名の先頭の1文字を使って紛らわしくない場合は、それを使う。
- 例えば、香川県の「香」や岐阜県の「岐」といったものである。
- しかし、福岡県と福島県、愛知県と愛媛県のように先頭の1文字が同じになることもあるので、そういった場合は先頭の1文字を使うことができない。
- 都道府県名の先頭の1文字を使って紛らわしくなる場合は、別の候補を使う。
- 旧国名を使う。例えば、福岡県は旧国名で言うと筑前・筑後に相当するので、「筑」を使う [1] 。
- 都道府県名の2文字目を使う。例えば、愛媛県ならば「媛」を使う。
- 都道府県庁所在地の名前を使う。例えば、愛知県ならば、名古屋が県庁所在地なので「名」を使う。
先行例
なお、都道府県名を1文字で表そうとしたのは私が最初ではない。ウェブ上にも、以下のような先行例がある。
ちなみに、中国では、どの省についても、1文字で表す略称がある。例えば、広東省なら「粤」という1文字で表すことができるし、河南省なら「豫」という1文字で表すことができる。
2017年3月25日追記:宮城県を“MG”にするなど、都道府県名を英字2文字で表す場合もあるそうだ。例えば、自動車の国際ナンバーなどではこうした英字2文字の略称が使われているそうだ。「都道府県名の英字2字略号」という記事に、このことに関する事例が載せられているので、興味がある人は見てみると良いだろう。
グラフを描く事例
都道府県名を漢字1文字で表してスペースを節約する例として、統計処理ソフトの R でグラフを描く事例を挙げてみたい。なお、グラフを描くために使ったスクリプトは GitHub に上げてあるので、必要な方は参考にしてほしい。
使用するデータ
以下の事例では、「統計でみる都道府県のすがた2017」に収められている「出身高校所在地県の大学への入学者割合(対大学入学者数)」と「高等学校卒業者の進学率」のデータを用いる。
このデータを収めたCSVも、GitHub に上げてあるので、必要な方は参考にしてほしい。なお、以下のCSVにおいては、都道府県コードを用いて都道府県を表している。
普通の plot()
を使った場合
R の plot()
とtext()
を用いて、各都道府県の進学率の情報を図示した例から始めよう。以下では、「神奈川」のように都道府県名を普通に表記しており、少しごみごみとしてしまっている。
「神」のように都道府県名を1文字で表記すれば、それほどごみごみしなくなる。
ggplot2
パッケージを使った場合
ggplot2
パッケージを使う場合も同様のことができる。まずは、都道府県名を省略せずに描く場合を挙げよう。
次に、都道府県名を1文字にした場合の図を挙げる。
また、少し工夫すれば、以下のようにもっと色々な要素があるようにすることもできる。
- 厳密に言うと、福岡県には豊前だった場所もあるのだが、その点は気にしないでおく。 [↩]