DRMフリーとは
現在、Amazon.co.jp や eBookJapan といった電子書籍ストアで、様々な電子書籍が販売されている。しかし、日本の電子書籍ストアで販売されている電子書籍は、多くの場合、DRMによる制限がかかっており、購入者にとって不便なものになっている。
例えば、DRMによる制限がかかっていると、自分の持っているある端末から別の端末に電子書籍を移すことが容易ではなくなる。また、DRM付きの電子書籍は往々にして専用の電子書籍閲覧ソフトを使わないと読めず、購入者が好きな閲覧ソフトを選ぶことができない。さらに、DRMを管理している電子書籍ストアがサービスをやめてしまった場合、購入した電子書籍が永遠に読めなくなるということもある [1] 。

このような不便さで悩むことがないのが、DRMフリーの電子書籍である。DRMフリーであれば、電子書籍ストアがサービスをやめたとしても読み続けることができる。
以下では、DRMによる制限がない日本語の電子書籍を購入できるストアの情報をまとめて紹介したい。なお、以下に挙げるストアでは、DRMによる制限こそないものの、印刷ができなかったり、文章をコピーアンドペーストできなかったりするという制限がある電子書籍を販売している場合がある。また、購入した電子書籍の中に、購入者の情報が透かしとして入れられる場合もある。
複数の出版社の電子書籍を扱っているストア
- ブックパブ
- 様々な分野の書籍を扱っている。
- 三和書籍、C&R研究所、自由国民社などが参加している。
- PDF形式で販売。
- 達人出版会
- ICT関係の技術書を主に扱っている。
- 達人出版会自身の書籍を扱っているほか、KADOKAWA/アスキー・メディアワークス、SBクリエイティブ、マイナビ出版など他社の書籍も扱っている。
- 基本的にはPDF形式で販売されており、一部の書籍についてはPDF形式だけでなく、EPUB形式でも販売されている。
- たびのたね
- 旅行ガイドを主に扱っている。
- 様々な旅行ガイドを組み合わせて1つにまとめるというサービスもある。
- JTBパブリッシングやマガジンハウスなどが参加している。
出版社の直営ストア
ICT関係
ICT関係の電子書籍を購入することを考えている場合、電子書籍の横断検索ができるウェブサイトeBook-1が便利である。ただし、eBook-1の検索結果の中には、Amazon.co.jpのようなDRMによる制限があるストアも出てくるので注意が必要だ。
- O’Reilly Japan Ebook Store
- プログラミング関係のものを中心に様々な技術書を扱っている。
- 基本的にはPDF形式で販売されており、一部の書籍についてはPDF形式だけでなく、EPUB形式でも販売されている。
- Gihyo Digital Publishing
- プログラミング関係のものを中心に様々な技術書を扱っている。
- 基本的にはPDF形式で販売されており、一部の書籍についてはPDF形式だけでなく、EPUB形式でも販売されている。
- SE Shop.com
- 翔泳社の書籍を扱っている。プログラミング関係の書籍が多い。
- PDF形式で販売。
- ラトルズネット
- ICT関係の技術書を主に扱っている。
- 基本的にはPDF形式で販売されており、一部の書籍についてはPDF形式だけでなく、EPUB形式でも販売されている。
- 日経BP社ブックス&テキスト Online
- Microsoft 公式解説書などの技術書を扱っている。
- PDF形式で販売。
- インプレス
- ICT関係の実用書を主に扱っている。
- PDF形式で販売されているものと、EPUB形式で販売されているものがある。
その他
- オーム社 eBook Store
- 理工系専門書を主に扱っている。
- 基本的にはPDF形式で販売されており、一部の書籍についてはPDF形式だけでなく、EPUB形式でも販売されている。
- Tech Village 書庫&販売
- CQ出版の書籍を扱っている。エレクトロニクス関係の書籍が多い。
- PDF形式で販売。
- Discover21
- ディスカヴァー・トゥエンティワンの書籍を扱っている。実用書、ビジネス書、自己啓発関係の書籍が多い。
- EPUB形式で販売。
- E-BookGuide.jp
- 勉誠出版の書籍を扱っている。歴史関係の書籍が多い。
- PDF形式で販売。
- 明治図書オンライン
- 教育関係の書籍を主に扱っている。
- 基本的にはPDF形式で販売されており、一部の書籍についてはPDF形式だけでなく、EPUB形式でも販売されている。
脚注
- 電子書籍ストアのサービス停止による問題については、「電子書店サービスが終了したら、買った本は読めなくなる?」や「Kindleで購入した電子書籍は、実はユーザーのものではない」といった記事も参考のこと。 [↩]
- Pixabay より stevepb 氏のパブリックドメイン画像を使用。 [↩]