本を定価より安く買う11の方法

概要
日本で本を定価より安く買う方法を紹介する。金券ショップを活用したり、書店などのポイントを利用すると、実質的に本を安く買うことができる。

はじめに

本を定価より安く買えれば、もっと多くの本が買える。
本を定価より安く買えれば、より多くの本が買える。(Flickrより、Abhi Sharma氏によるCC BY 2.0画像を使用)

今の日本には、本に対して再販制度というものがある。この制度によって、本は基本的に定価でしか販売されない。しかし、実際には本を定価より安く買う方法がいくつかある。

金券ショップを活用する

金券ショップで金券を買い、その金券を使って書店で本を買うと、本を安く買うことができる。金券ショップでは金券が額面より安く売られているので、その分だけ得をするのだ。例えば、ちょうど1000円の本を買うことを考えよう。この場合、金券ショップで、額面が1000円の金券を買って、本屋で使えば良い。その金券の値段が970円ならば、30円分だけ得するのだ。この場合、実質的に定価の3%引きで本を購入できたことになる。

金券ショップを活用する方法は、今回紹介する方法の中で最もオススメだ。金券ショップに行くという手間はかかるものの、実質的な割引率はかなり良い。近所に金券ショップがある人はぜひ活用してみよう。

1. 図書カード

金券ショップで売られている金券のうち、本を買うなら一番お得なのが図書カードだ。図書カードは、額面のおよそ2-4%引きで販売されていることが多い。つまり、1000円の図書カードなら、960-980円程度で買えることが多いのだ。また、まれに額面の5%引きで販売されていることもある。

金券ショップで図書カードを買うと、定価より安く本が買える(図中の価格は一例)。
金券ショップで図書カードを買うと、定価より安く本が買える(図中の価格は一例)。

図書カードは、大概の書店で使うことができる。一部の小規模書店では図書カードを受け付けない場合があるが、そういった書店は非常に少ない。

図書カードの公式ウェブサイトに図書カードの使い方について分かりやすく書いてあるので、参考にすると良いだろう。

2. クオカード

クオカードは、図書カードほど安く売られていない。大概の金券ショップで、クオカードは、額面のおよそ0.5-1.5%引きで販売されている。つまり、1000円のクオカードなら985-995円ぐらいする。このため、本を買うことだけ考えれば、図書カードの方が得である。また、クオカードで支払いができる書店 [1] は非常に限られている。この点においても図書カードの方が有利である。

とは言え、クオカードはコンビニなど様々なところで使えるという利点がある。コンビニなどでの買い物は多いが、本はたまにしか買わないという人にとっては便利かもしれない。

3. ギフトカード

一部の書店では、百貨店やクレジットカード会社が発行しているギフトカードで支払うことが可能である。百貨店の中に入っている書店では、その百貨店のギフトカードを使えることが多い。百貨店やクレジットカード会社のギフトカードは、金券ショップでは額面のおよそ0.5-1.5%引きで販売されている。

ギフトカードは多くの場合、1枚をまるごと使うことになる。つまり、図書カードやクオカードと異なり、1円単位で支払いに用いることができない。

おつりが出るかどうかは店舗によって対応が異なる [2] 。おつりが出なければかえって損をすることもあるので注意が必要だ。

4. 金券を活用してアマゾンギフト券を安く手に入れる

2015年11月21日追記:サークルKサンクスの仕組みが変わったために、今ではJCBギフトカードなどを使ってアマゾンギフトカードを買うことができなくなった。

アマゾンギフト券は、オンライン書店であるアマゾンジャパンで使えるギフト券である。普通、アマゾンギフト券そのものは金券ショップで売られていない。アマゾンギフト券を買いたければ、コンビニで購入することになる。しかし、コンビニでは割引して販売しているわけではない。1000円分のアマゾンギフト券を買いたければ、1000円分支払わなくてはならないのだ〔2015年11月21日:誤字修正〕。

しかし、金券を活用してアマゾンギフト券を安く手に入れる方法がある。実は、サークルKとサンクスでは、JCBギフトカードなどを使ってアマゾンギフトカードを買うことができる。1000円分のアマゾンギフト券を買うにはJCBギフトカードが1000円分必要だ。ただし、そのJCBギフトカードなどは金券ショップで額面より安く買うことができる。金券ショップでJCBギフトカードなどを990円で買えば、実質1%引きでアマゾンギフト券を手に入れることができる。アマゾンジャパンのウェブサイトに、サークルK・サンクスでアマゾンギフト券を買う方法が掲載されているので、それも参照すると良い。

アマゾンギフトカードを額面より安く手に入れる方法。やや煩雑である。
アマゾンギフトカードを額面より安く手に入れる方法。やや煩雑である。

なお、アマゾンギフト券には有効期限がある。期限が切れて損をすることのないように注意しよう。

ポイントをためる

書店やそのクレジットカード会社のポイントを活用して、得をするという手段もある。ただ、ポイントはせいぜい価格の1%程度である。また、ポイントには有効期限があったり、使用できる場所が限られていたりするので、使い勝手はあまりよろしくない。

5. 書店のポイント

色々な書店が、自店で使えるポイントカードを発行している。100円の支払いにつき1ポイント貯まり、1ポイントが1円として使えるという例が多い。同じ書店で本を買うことが多いという人にはオススメである。例えば、三省堂書店には「クラブ三省堂カード」というポイントカードがあるし、文教堂書店にもポイントカードがある。

通常、端数にポイントはつかないので、まとめ買いをしたほうがポイントの面ではお得である。100円につき1ポイントがつく書店で、950円の本を2冊買う場合を考えよう。この2冊をまとめて買った場合、合わせて1900円になるので19ポイントとなる。しかし、ばらばらに買った場合、18ポイントにしかならない。なぜかと言うと、950円の場合は端数の50円は切り捨てられ、900円に対して9ポイントがつく。それが2回分だから、18ポイントになるというわけである。

図書カードなどの金券を使った場合でも、ポイントがつく書店が多いので、金券による実質的な割引と組み合わせるのも手だ。

オンライン書店でも、ポイントを貯めることができる書店がいくつかある。例えば、honto楽天ブックスでは、大体の本に対して1%のポイントがつく。なお、hontoのポイントは、丸善やジュンク堂の実店舗で貯めることもできる。詳しくは「hontoポイントとは」というページを参照のこと。

6. クレジットカード

クレジットカードで支払うことができる書店ならば、クレジットカードのポイントを貯めることもできる。

大学生限定の方法

一般の人は使えないが、大学生限定で安く買う方法がある。なお、大学生向けというより、大学教員などの研究者向けの話だが、学術書などは関連する学会で安く販売していることがある。

7. 大学生協

大学生の場合、大学生協で本を安く買うことができる場合がある。通常、定価の10%引きで買える。これは、生協は再販制度の適用外であるためだ。本を安く売ろうとも誰からも文句を言われないのだ。

8. Amazon Students

オンライン書店であるアマゾンジャパンには、Amazon Studentという大学生向けの学割制度がある。この制度を使って本を買うと、アマゾンジャパンのポイントが価格の10%還元される。

その他の方法

9. 株主優待

文教堂書店では、100株以上を持っている株主に対し、本を割引で購入できる株主優待カードを発行している。株主優待カードは、100株以上ならば5%引き、1000株以上で7%引き、10000株以上で10%引きになる。2013年の年末の終値は1株199円。およそ2万円あれば、100株買って株主優待を受けられるわけだ。

(2015年11月21日追記:東海地方を中心に店舗を有する三洋堂書店も、100株以上を持っている株主に対し、本を割引で購入できる株主優待制度を設けている。保有株式数に応じて、2から6%引きの優待が受けられる。)

10. 電子書籍

紙の本を買うことにこだわらなければ、電子書籍を買うという手もある。電子書籍は紙の本より安く買えることが少なくない。電子書籍販売サイトとしては、eBookJapan電子書店パピレスアマゾンジャパンなどがある。また、オライリージャパンのように自社ウェブサイトで電子書籍を売っている出版社もある。

11. 古本

新品を買うことにこだわらなければ、古本を買うのも悪くない。よほど珍しい本を除けば、新品の本を買うよりずっと安く買うことができる。古本を探すには古本屋の実店舗に行っても良いし、オンライン古書店のウェブサイトを見てみても良い。古本を探すには、古本検索 Bookgetといったウェブサービスを活用すると良いだろう。

脚注
  1. クオカードで支払いができる書店としては、ジュンク堂や三省堂書店などがある。 []
  2. ちなみにおつりが出る場合、金券ショップでの割引率よりさらに得をすることがある。1000円のギフトカードが金券ショップで額面の1%引き、すなわち990円で売っていたとしよう。このギフトカードを2枚買うと、1980円の現金を支払う代わりに2000円分のギフトカードが手に入ることになる〔2014年4月13日:誤字修正〕。これら2枚のギフトカードを1003円の本の支払いに使うとしよう。おつりが出れば、おつりとして997円の現金が手に入る。ギフトカードを買うときに現金を1980円分使ったわけだが、おつりとして997円分戻ってきたので、差し引きすると現金は983円分しか使っていないことになる。983円分の現金で1003円の本が買えたので、実質的に2%引きで本を買えたことになる。ギフトカードそのものは1%引きであったが、おつりが出たおかげでさらに得をしたのである。 []