はじめに
本記事は、統計検定のウェブ上に公開されている受験体験記をまとめたものである。統計検定は、統計学に関する知識などを問う試験であり、一般財団法人統計質保証推進協会が実施している。統計検定には1級・準1級・2級・3級・4級があるが、本記事ではこのうち1級・準1級・2級の受験体験記のみ紹介する。
以下、1級から順に級ごとに受験体験記へのリンクと、体験記の中で推奨されている参考書・ウェブサイトを挙げる。統計検定をこれから受験しようとしている人にとって、参考になればと思う。
出題範囲の変更に関する注意
なお、以下に示すように、統計検定の出題範囲は過去に何度か変更されている。
- 2017年:準1級から4級の変更(詳細→統計検定公式ウェブサイト「出題範囲の改訂が行われました」)
- 2018年:3級と4級の変更(2級は範囲変更はないが文言整理があったとのこと。詳細→統計検定公式ウェブサイト「出題範囲表(2級、3級、4級)の改訂について」)
- 2019年:準1級の変更(詳細→統計検定公式ウェブサイト「出題範囲表(準1級)について」)
このため、古い受験体験記で推奨されている内容が、現在の出題範囲からすると適当でない可能性がある。受験体験記の中に検定に合格した年度が書いている場合はその年度を分かるようにしておいたので、適宜参考にしていただければと思う。
統計検定1級の受験体験記
統計検定1級の受験体験記としては以下のものがある。統計検定1級は一番難しい級だけあってか、受験体験記の数はさほど多くない。
- 統計検定1級対策第1弾:2013年
- 1級試験の対策法について
- 文系で統計検定1級に合格した:2017年
- 統計検定1級の振り返り:2017年
- 統計検定 1 級に合格する方法
- 統計検定一級合格への道筋:2018年
- 【2019年版】統計検定1級(理工学)に合格しました(学習の履歴・受験の感想):2019年
- 統計検定各級の対策事例(1級、準1級、2級、3級)
統計検定1級対策でよく使われている参考書
統計検定1級の受験体験記を見ていると、合格には数理統計学の学習が重要であることがうかがえる。
上記の受験体験記のうち複数で挙げられている参考書として、以下のものがある(公式解説書と公式問題集は除く)。
- 竹村彰通.(1991). 『現代数理統計学』東京:創文社.
- 版元である創文社が2020年6月に解散することとなり、2020年3月31日をもって版元からは販売終了となった。版元のウェブサイトによると、新装改訂版が学術図書出版社から出るそうである。
- 2022年1月9日追記:新装改訂版が出た。
- 竹村彰通.(2020). 『新装改訂版 現代数理統計学』東京:学術図書出版社.
- 久保川達也.(2017). 『現代数理統計学の基礎』東京:共立出版.
- 鈴木武・山田作太郎.(1996). 『数理統計学:基礎から学ぶデータ解析』東京:内田老鶴圃.
- Hogg, R. V., McKean, J. W., & Craig, A. T. (2018). Introduction to mathematical statistics (8th ed.). Boston: Pearson.
- 原書第6版の和訳として『数理統計学ハンドブック』が朝倉書店から出ている。
統計検定準1級
統計検定準1級の受験体験記としては以下のものがある。
- 統計検定準1級を取るための勉強法:2016年
- 統計検定準1級に医学生が合格するためのオススメ参考書10選
- 統計検定 準1級に受かったので勉強法を:2018年
- 統計検定準一級合格への道筋:2018年
- 専門力0から3カ月で統計検定準一級を目指した話:2019年
- 統計検定準1級に合格したので合格するまでにやったことを書く:2019年
- 【2019】統計検定準1級合格体験記:2019年
- 統計検定各級の対策事例(1級、準1級、2級、3級)
統計検定準1級対策でよく使われている参考書
上記の受験体験記のうち複数で挙げられている参考書として、以下のものがある(公式問題集は除く)。
- 東京大学教養学部統計学教室〔編〕.(1991). 『基礎統計学I 統計学入門』 東京:東京大学出版会.
- 南風原朝和.(2002). 『心理統計学の基礎 統合的理解のために』東京:有斐閣.
- 東京大学教養学部統計学教室〔編〕.(1992). 『基礎統計学III 自然科学の統計学』 東京:東京大学出版会.
- 栗原伸一.(2011). 『入門 統計学 検定から多変量解析・実験計画法まで』東京:オーム社.
- 高橋信〔著〕・井上いろは〔作画〕.(2005). 『マンガでわかる統計学 回帰分析編』東京:オーム社.
- 村上正康・安田正実.(1989) 『統計学演習』東京:培風館.
- 東京大学教養学部統計学教室〔編〕.(1994). 『基礎統計学II 人文・社会科学の統計学』 東京:東京大学出版会.
東大出版会の『基礎統計学I 統計学入門』は、準1級対策で定番と言ってもよいぐらいの書籍だ。準1級の試験範囲の全部を扱っているわけではないが、基礎となる部分を詳しく扱っており、有用である。この本はタイトルに「入門」とついているが、色々と深掘りされており、本当の入門者にとっては難しい。しかし、その深掘りされているところが、準1級を受けるレベルにはちょうど良い。この本のレビューを以前書いたので、適宜参照されたい。
ついでよく使われているのが、『心理統計学の基礎 統合的理解のために』と、東大出版会の『基礎統計学III 自然科学の統計学』である。前者は入門寄り、後者はやや応用的。
なお、上述の受験体験記の中では触れられていないが、2020年5月に公式の準1級対策本として『日本統計学会公式認定 統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック』が出るとのこと。
統計検定2級
統計検定2級の受験体験記としては以下のものがある。受験者も1級や準1級に比べて多いだけあって、さまざまなものがある。
- 文系OLが統計検定2級に合格するまで:2015年
- 統計検定2級合格までの勉強方法:2016年
- 文系学部卒が統計検定2級を合格するまでにやったこと:2017年
- 統計検定2級と3級に合格した話:2017年
- 2018年版 統計検定2級を受験するまでの学習の記録(合格しました):2018年
- 文系のわたしが統計検定2級に合格するまでに読んだ本:2018年
- 統計検定2級の勉強におすすめの参考書や勉強法を書いてみる:2018年
- 【2019年版】数学が苦手でも最低限の勉強時間で統計検定2級に合格するための対策とおすすめ参考書&問題集(過去問)【紙とCBT方式の難易度の差は?】:2018年
- 知識0から統計検定2級取得を目指した話:2018年
- 情シス文系学部卒が統計検定2級をとるためにやったこと:2018年
- 統計検定2級合格への道(20年ぶりの数学):2018年
- 統計検定2級に受かったのでやったことを全部書く:2018年
- 統計検定2級に合格するために使用した参考書と勉強時間:2018年
- 統計検定2級合格の長い道のり:2019年
- 統計検定2級に受かったので勉強方法を紹介する:2019年
- 高校数学が赤点だらけだった僕が統計検定2級に1ヶ月半で合格した話:2019年
- 統計検定2級に合格! 私の勉強方法と試験対策:2019年
- 社会人が1ヶ月半で統計検定2級に合格した勉強法:2019年
- 統計検定2級に爆速で合格する。:2019年
- 【統計検定2級】2019年11月受験レポート:2019年
- 統計検定2級に合格した方法:2019年
- 統計検定2級のおススメ参考書:2019年
- 統計検定2級に合格しました:2019年
- 統計検定2級に合格のためにやったこと:2020年
- 統計検定2級の呪縛から逃れる例
- 統計: 統計検定2級に合格した
- 統計検定2級に合格する方法
- 知識ゼロから1ヶ月半で統計検定2級合格した方法 – まとめノートのpdfつき –
- たったこれだけ!最短で統計検定2級に合格する方法
- 社会人が統計検定2級に挫折しないための勉強戦略
- 統計検定2級を1週間の勉強期間で合格するためにしたことまとめ
- 社会人が片手間で取る統計検定2級
- 統計検定2級に楽に合格する方法
- 約2週間で統計検定2級に成績優秀者として合格した方法
- 統計検定2級(CBT)を受けてきた
- 統計検定2級に合格したときの勉強方法
統計検定2級対策でよく使われている参考書・ウェブサイト
統計検定2級の出題範囲は、統計学の入門書を何かしら1冊終えれば終わるぐらいの範囲である。上記の受験体験記の中でも、統計学の入門書を何かしら挙げているものが多かった。
受験体験記のうち3つ以上で挙げられている [2] 参考書として、以下のものがある(公式解説書と公式問題集は除く)。
- 小島寛之.(2006). 『完全独習 統計学入門』東京:ダイヤモンド社.
- 東京大学教養学部統計学教室〔編〕.(1991). 『基礎統計学I 統計学入門』 東京:東京大学出版会.
- 高橋信.(2004). 『マンガでわかる統計学』東京:オーム社.
- 涌井良幸・涌井貞美.(2015). 『統計学の図鑑』東京:技術評論社.
- 白砂堤津耶.(2015). 『例題で学ぶ初歩からの統計学 第2版』東京:日本評論社.
上の参考書のリストの中でも、『完全独習 統計学入門』は幅広く使われている定番入門書。次によく挙げられていた東大出版会の『基礎統計学I 統計学入門』も定番入門書だが、やや難しい。逆に言うと、この本の内容をしっかり理解すれば、2級合格は余裕だろう。
マンガで学べる統計の入門書には様々なものがあり、上記の受験体験記の中にも様々なものが挙げられていた。その中でもっともよく挙げられていたのがオーム社の『マンガでわかる統計学』である。この本については前にレビューを書いたことがあるが、初心者向けの良書である。
また、統計WEBというウェブサイトが多くの受験体験記の中で参考になったウェブサイトとして挙がっていた。このウェブサイトは統計検定2級の範囲をほぼすべて扱っているとのこと。
追記:2021年以降の受験体験記
2022年1月9日追記:本記事は元々2020年にまとめたものだが、その後も色々と受験体験記が出てきているので、以下に2021年以降の受験体験記へのリンクを載せておきたいと思う。
統計検定1級の受験体験記
統計検定準1級の受験体験記
統計検定2級の受験体験記
- 統計検定2級の合格方法
- 【統計検定】文系卒会社員が2ヶ月で統計検定2級に合格した話【Udemy】
- 大学2年で統計検定2級をA判定で合格してみた
- 統計検定2級_合格までにやったこと(微分積分忘れているところから、2カ月でなんとか合格)
- 2週間で統計検定2級に合格した話