中国語の“社会车辆”とは何か

概要
中国語の“社会车辆”は大まかに言うと「特定の要件に当てはまる車両以外の一般車両」を意味する。例えば、バス専用レーンにおけるバス以外の一般車両や、交通規制の際に許可された車両以外の一般車両を指すのに使われる場合がある。

社会车辆”の表す意味と用例

中国語の“社会车辆”(shèhuì chēliàng,繁体字:社會車輛)は、大まかに言うと「特定の要件に当てはまる車両以外の一般車両」のことを指す。

例えば、「一定の条件の下でバス以外の車両が臨時にバス専用レーンを用いることができる」ことが“允许社会车辆在一定条件下临时借用公交专用道” (北京市公安局公安交通管理局 (2025)、下線は引用者による)と表現される。つまり、このバス専用レーンを扱っている文脈では、バスが特定の要件に当てはまる車両となる。そして、それ以外の一般車両が“社会车辆”となるのだ。

別の例を見てみよう。以下の例では、成都における車両通行規制について記している。

7月26日10时至开幕式演练活动结束,宁波路—汉州路—广州路—蜀州路—福州路—雅州路合围区域内所有道路(含上述道路),除持有开幕式演练活动专用车辆通行证的车辆外,禁止其他车辆通行。社会车辆可经杭州路、夔州大道、梓州大道、科学城北路、益州大道绕行,也可经天府大道穿行。

(引用者訳:7月26日10時から開幕式リハーサル活動終了まで、寧波路—漢州路—広州路—蜀州路—福州路—雅州路に囲まれる区域内のすべての道路(上記道路を含む)は、開幕式リハーサル専用の通行証を持つ車両を除いて、その他の車両の通行は禁止されます。一般車両は、杭州路・夔州大道・梓州大道・科学城北路・益州大道を経由して迂回するか、天府大道を通行できます。)

范芮菱 (2025)より。下線は引用者による。

ここでは、開幕式リハーサル専用の通行証を持つ車両が特定の要件に当てはまる車両となる。そして、それ以外の一般車両が“社会车辆”となっている。

台湾での状況

台湾では“社會車輛”という言い方はほとんどしないようだ。代わりに、“一般車輛”(yībān chēliàng,簡体字:一般车辆)と言ったり、“私人車輛”(sīrén chēliàng,簡体字:“一般車輛”)と言ったりすることがある。

例えば、以下は、通行を認められた特別な車両を除いて、“一般車輛”が通行できないことを示している。

台北市交通局指出,永康街的逛街排隊人潮常從人行道蔓延到車道上,為提供更安全的步行環境,試辦「漫步區」,開放車道供行人通行,同時禁止一般車輛進入管制區;另為降低對當地居民的干擾,採柔性交通管制方式,開放持通行證車輛、緊急救援車輛、住戶店家臨時通行需求、裝卸貨車輛、外送員、計程車接送等通行,並注意要減速慢行。

(引用者訳:台北市交通局は、永康街では街歩きをする人々の流れが歩道から車道にしばしばあふれるため、より安全な歩行環境を提供するために「歩行者天国」を試験的に導入し、車道を歩行者に開放するとともに、一般車両の進入を禁止すると発表した。また、地域住民への影響を軽減するために、柔軟な交通規制方式を採用し、通行証を所持する車両、緊急車両、住民や店舗の一時的な通行需要、荷物の積み下ろしを行う車両、デリバリー配達員、タクシーの送迎などについては、減速して徐行するように注意して通行を認めるとしている。)

林承鴻 (2025)より。下線は引用者による。

また、“私人車輛”を用いた例としては以下のものがある。

除公務車輛及本處核准從事相關公務之車輛外,私人車輛不得進入

(引用者訳:公務用車両および本処が承認した関連公務に従事する車両を除き、一般の車両の進入はできません)

內政部國家公園署玉山國家公園管理處 (2025)より。下線は引用者による。

参考文献

注釈