「ボクにとってギリシャ語だよ」=「わけがわからないよ」
「わけがわからないよ」に対応する英語の表現として、“It's Greek to me.”という表現がある [1] 。これは、文字通りには「ボクにとってギリシャ語だよ」という意味。こんな感じで、「わけがわからないよ」と言うときに外国語の名前を挙げる例は、英語以外にも見られる。

「中国語だよ」=「わけがわからないよ」
例えば、フランス語だと「ギリシャ語だよ」でなくて「中国語だよ」 (C'est du chinois) になる。スペイン語でも、「わけがわからないよ」を表すために、「中国語だよ」“Esta en chino.”というらしい。
外国語の名前を引き合いにして「わけがわからないよ」という意味を表す事例は、かなり色々な言語に存在するらしい。こうした事例をまとめたウェブサイトとして以下のようなものがある。
- English example sentence: It's all Greek to me. – Tatoeba
- Greek to me – Wikipedia, the free encyclopedia
- It's all Greek to me | Ominiglot
- 5 Fun Facts: It's All Greek To Me
- Language Log ≫ The directed graph of stereotypical incomprehensibility
こうしたウェブサイトを見てみると、引き合いに出される外国語としては、中国語が多いようだ。特に西洋の言語を話す人にとっては、中国語は自分たちの言語と大きくかけ離れたものだから、ものすごく「わけがわからないよ」という感じになるのかもしれない。
あとは、スペイン語、ギリシャ語を引き合いに出す例もそれなりにあるようだ。
「わけがわからないよ」で引き合いに出される外国語のリスト
ちなみに、英語版 Wikipedia の Greek to me のページに載っている事例 [3] をもとに、どの言語がどの外国語を引き合いに出すかをまとめてみると以下のようになる。
- 中国語を「わけがわからない」外国語と見なしている言語
- アストゥリアス語、アラビア語、アルバニア語、ウクライナ語、エストニア語、オランダ語、カタルーニャ語、現代ギリシャ語、スペイン語、セブアノ語、セルビア語、ドイツ語、ハンガリー語、フィリピノ語、フランス語、ブルガリア語、ヘブライ語、ポルトガル語、ポーランド語、ラトビア語、リトアニア語、ルーマニア語、ロシア語
- スペイン語を「わけがわからない」外国語と見なしている言語
- クロアチア語、スロバキア語、スロベニア語、セルビア語、チェコ語、低地ザクセン語、ドイツ語、マケドニア語
- ギリシャ語を「わけがわからない」外国語と見なしている言語
- アフリカーンス語、英語、スウェーデン語、ノルウェー語、ポルトガル語、ラテン語
- ヘブライ語を「わけがわからない」外国語と見なしている言語
- アイスランド語、フィンランド語、フランス語、ポルトガル語
- アラム語を「わけがわからない」外国語と見なしている言語
- イタリア語、イディッシュ語、スペイン語、ポルトガル語
- ヴォラピュク語を「わけがわからない」外国語と見なしている言語
- エスペラント語、デンマーク語
- オランダ語を「わけがわからない」外国語と見なしている言語
- 英語、ジャワ語
- トルコ語を「わけがわからない」外国語と見なしている言語
- キプロスギリシャ語、ベネチア語
- ラテン語を「わけがわからない」外国語と見なしている言語
- セブアノ語、ポルトガル語
- アラビア語を「わけがわからない」外国語と見なしている言語
- イタリア語、ポルトガル語
- 日本語を「わけがわからない」外国語と見なしている言語
- ポルトガル語
- クメール語を「わけがわからない」外国語と見なしている言語
- ベトナム語
- ポーランド語を「わけがわからない」外国語と見なしている言語
- ドイツ語
- ドイツ語を「わけがわからない」外国語と見なしている言語
- チャバカノ語
- 東ゴート語を「わけがわからない」外国語と見なしている言語
- イタリア語
脚注
- “It's all Greek to me.”とすることもある。 [↩]
- Wikimedia Commons より Andrzej 22 氏のパブリックドメイン画像を使用。 [↩]
- Wikipedia に載っている例が正しいとは限らないが。 [↩]