当事者よりも熱心であったり強硬であったりすることを示すフランス語の表現

概要
フランス語では「国王より王党派的である」、「教皇よりカトリック的である」という表現で当事者よりも熱心であったり強硬であったりすることを示せる。

国王より王党派的

フランス語では、être plus royaliste que le roi(国王より王党派的である)という表現で当事者よりも熱心であったり、強硬であったりすることを表現できる。

シャトーブリアンが1816年に出した De la monarchie selon la charte(憲章に基づく君主制について)という本には以下のような表現が出てくる。

La grande phrase reçue, c’est qu’il ne faut pas être plus royaliste que le roi. Cette phrase n’est pas du moment; elle fut inventée sous Louis XVI: elle enchaîna les mains des fidèles, pour ne laisser de libre que le bras du bourreau.

(訳:一般に受け入れられた名言として、「国王より王党派であるべきではない」というものがある。この言葉は現在の言葉ではなく、ルイ16世の治世に発明された。この言葉は、死刑執行人の力のなすがままにされないように、忠臣の手をつなぎ止めた。)

Chateaubriand, F.-R. (1816). De la monarchie selon la charte. Paris: Le Normant. p.75

もう1つ最近の用例を挙げておこう。2015年にRFIが報じたイランの核問題協議に関するニュース記事で、以下のような記述がある。

Hussein Cheikh el-Islam, conseiller affaires étrangères du président du Parlement iranien, considère que la France, en adoptant une position très dure dans ces négociations, se fait plus royaliste que le roi.

(訳:イラン国会議長の外交顧問であるホセイン・シェイフ・エル=イスラムは、フランスが協議において非常に強硬な姿勢をとって、国王より王党派的になっていると考えている。)

RFI. (2015, Juillet 6). Nucléaire iranien: John Kerry appelle à conclure les négociations. RFI.

この例はまさに強硬な立場をとっていることを「国王より王党派的である」という表現で示している。

教皇よりカトリック的

また、être plus catholique que le pape(教皇よりカトリック的である)という表現でも、当事者よりも熱心であったり、強硬であったりすることを表すことができる。ドイツ語にも katholischer als der Papst sein(教皇よりカトリック的である)という類似した表現があるので、相互に関係があるのかもしれない。