都道府県名を1文字で表す試み

概要
神奈川県を「神」にするなど、都道府県名を省略して1文字で表す試みを紹介する。これを使えば、スペースを節約できる可能性がある。また、統計処理ソフト R でのグラフ作成において、都道府県名を1文字で表して図示する例も紹介する

都道府県名を1文字で表す

都道府県ごとに何か集計をするということがある。その集計結果を表現するとき、スペースの関係で、「香川」のように2文字分の幅を取ったり、「神奈川」のように3文字分の幅を取ったりすることが難しいことがある。神奈川なら「神」、香川なら「香」といったように、省略して1文字で表せば、スペースも節約できるだろう

というわけで、自分なりに検討して、都道府県名を1文字で表してみた。以下がその一覧表である。

都道府県名とそれを1文字で表したもの
都道府県名 1文字の略称
北海道
青森
岩手
宮城
秋田
山形
福島
茨城
栃木
群馬
埼玉
千葉
東京
神奈川
新潟
富山
石川
福井
山梨
長野
岐阜
静岡
愛知
三重
滋賀
京都
大阪
兵庫
奈良
和歌山
鳥取
島根
岡山
広島
山口
徳島
香川
愛媛
高知
福岡
佐賀
長崎
熊本
大分
宮崎
鹿児島 鹿
沖縄

なお、上記の表のデータに、都道府県コードやローマ字表記などを加えたCSVをGitHubに挙げてあるので、必要な人は適宜活用していただければと思う。

方針

基本的には、以下の方針で都道府県名を表す1文字を決めた。

先行例

なお、都道府県名を1文字で表そうとしたのは私が最初ではない。ウェブ上にも、以下のような先行例がある。

ちなみに、中国では、どの省についても、1文字で表す略称がある。例えば、広東省なら「粤」という1文字で表すことができるし、河南省なら「豫」という1文字で表すことができる。

2017年3月25日追記:宮城県を“MG”にするなど、都道府県名を英字2文字で表す場合もあるそうだ。例えば、自動車の国際ナンバーなどではこうした英字2文字の略称が使われているそうだ。「都道府県名の英字2字略号」という記事に、このことに関する事例が載せられているので、興味がある人は見てみると良いだろう。

グラフを描く事例

都道府県名を漢字1文字で表してスペースを節約する例として、統計処理ソフトの R でグラフを描く事例を挙げてみたい。なお、グラフを描くために使ったスクリプトは GitHub に上げてあるので、必要な方は参考にしてほしい。

使用するデータ

以下の事例では、「統計でみる都道府県のすがた2017」に収められている「出身高校所在地県の大学への入学者割合(対大学入学者数)」と「高等学校卒業者の進学率」のデータを用いる。

このデータを収めたCSVも、GitHub に上げてあるので、必要な方は参考にしてほしい。なお、以下のCSVにおいては、都道府県コードを用いて都道府県を表している。

普通の plot() を使った場合

R の plot()text()を用いて、各都道府県の進学率の情報を図示した例から始めよう。以下では、「神奈川」のように都道府県名を普通に表記しており、少しごみごみとしてしまっている。

「神奈川」のように都道府県名を普通に表記した場合の図。一部の県名が重なるなど、ごみごみしてしまっている。
「神奈川」のように都道府県名を普通に表記した場合の図。一部の県名が重なるなど、ごみごみしてしまっている。

「神」のように都道府県名を1文字で表記すれば、それほどごみごみしなくなる。

「神」のように都道府県名を1文字で表記した場合の図。
「神」のように都道府県名を1文字で表記した場合の図。

ggplot2 パッケージを使った場合

ggplot2 パッケージを使う場合も同様のことができる。まずは、都道府県名を省略せずに描く場合を挙げよう。

「神奈川」のように都道府県名を普通に表記した場合の図。
「神奈川」のように都道府県名を普通に表記した場合の図。

次に、都道府県名を1文字にした場合の図を挙げる。

「神」のように都道府県名を1文字で表記した場合の図。
「神」のように都道府県名を1文字で表記した場合の図。

また、少し工夫すれば、以下のようにもっと色々な要素があるようにすることもできる。

「神」のように都道府県名を1文字で表記し、データ点を打ち、X軸とY軸のタイトルを加えるなどした図。
「神」のように都道府県名を1文字で表記し、データ点を打ち、X軸とY軸のタイトルを加えるなどした図。
脚注
  1. 厳密に言うと、福岡県には豊前だった場所もあるのだが、その点は気にしないでおく。 []