(西暦)2017(年)も(平成)29(年)もピタゴラス素数

概要
2017と29は、いずれも2つの平方数の和で表せる素数である。さらに両方とも3つの立方数の和として表すこともできる。

2つの平方数の和としてのピタゴラス素数

まもなく、西暦で言うと2017年、和暦で言うと平成29年になる。この2017と29という数を見て、何か思うことはないだろうか。

整数が好きな人ならば、両方とも素数であるということにすぐに気づくだろう。2017は1と2017以外の約数を持たないし、29は1と29以外の約数を持たない。1とそれ自身以外の約数を持たない数を素数と呼ぶのだから、2017も29も素数になるのだ。

2017もまた素敵な数だ。
2017もまた素敵な数だ [1]

そして、2017と29は、素数の中でもピタゴラス素数 (Pythagorean prime) と呼ばれるものだ。ピタゴラス素数とは、2つの平方数の和で表すことができる奇数の素数のことだ。実際、92 + 442 = 81 + 1936 = 2017 となる。また、22 + 52 = 4 + 25 = 29 となる。

西暦での年と平成での年が両方ともピタゴラス素数になるのは、西暦1993年(平成5年)以来である。なお、1993 = 122 + 432 となり、5 = 12 + 22となる。ちなみに、ピタゴラス素数にこだわらずに、西暦での年と平成での年が両方とも素数になるのは西暦2011年(平成23年)以来である。

平成がこのまま続いたとしたら、次に、西暦での年と平成での年が両方とも素数になるのは、西暦2029年(平成41年)である。しかも、このときは両方ともピタゴラス素数になる。しかし、かしこきあたりが位をおしりぞきになるという話を考えると、この組み合わせを見ることはないだろう。

ちなみに、4n + 1の形、すなわち4で割ると1あまる形になる素数は、すべてピタゴラス素数である。逆に、ピタゴラス素数はすべて4で割ると1あまる形になる。だから、西暦での年と元号で表した年が両方ピタゴラス素数になるためには、西暦の年と元号の年が4の倍数年だけ離れていなくてはいけない。平成は、西暦と1988年離れている。1988は4の倍数なので、西暦での年と平成での年が両方ともピタゴラス素数となる可能性が出てくる。これが、昭和だとうまくいかない。昭和は、西暦と1925年離れている。1925は4の倍数でないから、片方が4で割ると1あまる形になっている場合、もう片方は必ず4で割ると1あまる形にならないのだ。

3つの立方数の和である素数

2017と29には共通する性質がもう1つある。2017も29も、2つの平方数の和で表せるだけでなく、3つの立方数の和で表せる素数である [2] 。実際、2017 = 73 + 73 + 113 となり、29 = 13 + 13 + 33 となる。

付:素数な日付

素数な日付の求め方については、「Rを使って素数な日付を探す」という記事もご参照ください。

西暦

西暦の年月日をまとめて1つの数字にしたときに素数となる日付は、2017年(平成29年)には19個存在する。8月31日と9月1日は2日連続で素数な日付となる [3]

  1. 2017年01月21日 → 20170121 → 素数
  2. 2017年02月19日 → 20170219 → 素数
  3. 2017年02月23日 → 20170223 → 素数
  4. 2017年03月01日 → 20170301 → 素数
  5. 2017年03月03日 → 20170303 → 素数
  6. 2017年03月31日 → 20170331 → 素数
  7. 2017年04月21日 → 20170421 → 素数
  8. 2017年05月11日 → 20170511 → 素数
  9. 2017年05月19日 → 20170519 → 素数
  10. 2017年06月07日 → 20170607 → 素数
  11. 2017年06月27日 → 20170627 → 素数
  12. 2017年08月07日 → 20170807 → 素数
  13. 2017年08月31日 → 20170831 → 素数
  14. 2017年09月01日 → 20170901 → 素数
  15. 2017年09月03日 → 20170903 → 素数
  16. 2017年10月17日 → 20171017 → 素数
  17. 2017年11月01日 → 20171101 → 素数
  18. 2017年12月01日 → 20171201 → 素数
  19. 2017年12月19日 → 20171219 → 素数

和暦

和暦の年月日をまとめて1つの数字にしたときに素数となる日付は、2017年(平成29年)には33個存在する。

  1. 29年01月07日 → 290107 → 素数
  2. 29年01月13日 → 290113 → 素数
  3. 29年01月19日 → 290119 → 素数
  4. 29年02月01日 → 290201 → 素数
  5. 29年02月09日 → 290209 → 素数
  6. 29年02月19日 → 290219 → 素数
  7. 29年03月17日 → 290317 → 素数
  8. 29年03月27日 → 290327 → 素数
  9. 29年04月19日 → 290419 → 素数
  10. 29年04月29日 → 290429 → 素数
  11. 29年05月09日 → 290509 → 素数
  12. 29年05月27日 → 290527 → 素数
  13. 29年05月31日 → 290531 → 素数
  14. 29年06月11日 → 290611 → 素数
  15. 29年06月17日 → 290617 → 素数
  16. 29年06月21日 → 290621 → 素数
  17. 29年06月23日 → 290623 → 素数
  18. 29年06月27日 → 290627 → 素数
  19. 29年07月01日 → 290701 → 素数
  20. 29年07月07日 → 290707 → 素数
  21. 29年07月11日 → 290711 → 素数
  22. 29年08月03日 → 290803 → 素数
  23. 29年08月21日 → 290821 → 素数
  24. 29年08月27日 → 290827 → 素数
  25. 29年09月23日 → 290923 → 素数
  26. 29年10月07日 → 291007 → 素数
  27. 29年10月13日 → 291013 → 素数
  28. 29年11月01日 → 291101 → 素数
  29. 29年11月03日 → 291103 → 素数
  30. 29年11月07日 → 291107 → 素数
  31. 29年11月13日 → 291113 → 素数
  32. 29年12月09日 → 291209 → 素数
  33. 29年12月17日 → 291217 → 素数

なお、西暦でも和暦でも素数になるのは、02月19日 (20170219, 290219)、06月27日 (20170627, 290627)、11月01日 (20171101, 291101)の3日のみである。

脚注
  1. Pixabayより geralt 氏のパブリックドメイン画像を加工して使用。 []
  2. 3つの相異なる立方数の和ではなく、同じ立方数を2回足した上で別の立方数を足したものになっている。つまり、相異なる正の整数 x, y, z について、x3 + y3 + z3 の形になる素数にはならず、2x3 + y3 の形にしかならない素数だということだ(2017年1月18日:この文の誤字修正)。 []
  3. このことは、tkhs Yuta氏が Qiita に書いた「8桁表示で素数日や連続素数日を探す」という記事での指摘によって知った。 []