英語アルファベット26字と英語でよく使う記号5種類をすべて含む見事な文

概要
英語のアルファベット26字と、英語でよく使う記号5種類をすべて含み、なおかつそれぞれを1回しか使っていない文として、“New job: fix Mr. Gluck’s hazy TV, PDQ!”というものがある。

モジイッカイズツ

「新しい仕事:グルックさんのもやがかったテレビを修理、至急!」という意味で、英語アルファベット26字と英語でよく使う記号5種類をすべて含む文。
「新しい仕事:グルックさんのもやがかったテレビを修理、至急!」という意味で、英語アルファベット26字と英語でよく使う記号5種類をすべて含む文。

New job: fix Mr. Gluck’s hazy TV, PDQ!”という文がある。この文は、AからZのまでの英語のアルファベット26字をそれぞれ1回だけ使った上に、英語でよく使う記号5種類(コロン〔:〕、ピリオド〔.〕、アポストロフィ〔’〕、コンマ〔,〕、感嘆符〔!〕)も1回だけ使っているすごい文である。

この文を日本語に訳すと、「新しい仕事:グルックさんのもやがかったテレビを修理、至急!」という意味になる。なお、“PDQ”とは“Pretty Damn Quick”(クッソ早く)の略である。

解説:パングラムとは

ある言語で使われる文字を全て使った文章や語句のことをパングラム(pangram) と言う [1] 。「パン」(pan-)とは「全ての」という意味で、「グラム」(gram) は「文字」という意味だ。“New job: fix Mr. Gluck’s hazy TV, PDQ!”もパングラムの一種である。

英語のパングラムとして有名なものに“The quick brown fox jumps over the lazy dog.”というものがある。これは、「すばやい茶色の狐がのんびりとした犬の上を飛び越す」という意味である。このパングラムは、英語のすべてのアルファベットが含まれているために、フォントの表示例を示すためにしばしば用いられる。なお、このパングラムでは、いくつかの文字は複数回出てきている。例えば、“o”という文字は4回使われている。このように、1つの文字が複数回出てきてもパングラムとして認められる。

1つの文字を複数回使うことを許せば、パングラムを作ることは比較的容易だ。しかし、1つの文字を1回しか使わないようにするという条件を加えると、パングラムを作るのはなかなか難しくなる。その意味で、1回ずつしか使っていない“New job: fix Mr. Gluck’s hazy TV, PDQ!”は見事なパングラムなのだ。

なお、英語のパングラムに興味がある人は、A Collection of Word Oddities and Trivia, Page 9というページを見てみると良いだろう。このページにはたくさんのパングラムの例が掲載されている。

脚注
  1. 日本語のパングラムとしては「いろは歌」、つまり「いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす」という47の仮名を1回ずつ使った歌がある。 []